綴虚堂の日々

ヲタの日常

Amazonに同人誌の本文サンプルを転載されて対応した記録

当方の特殊事例が混ざりすぎてあまり人の参考にはならない気がしますが、おぼえがきとして。

きっかけはちょっとしたうっかりです。
文字列検索で手元のファイルを検索するつもりで、うっかりブラウザの検索欄に同人誌のタイトルを入力しました。
そうしたら、検索結果として現われるTwitterやpixiv、それに委託先に混じって、Amazonの文字が。
一瞬目を疑いました。
おそるおそる開くと、そこにはどこかの業者による同人誌の転売が。更には本文サンプル画像まで掲載されておりました。

転載されていた同人誌は、評論・情報系のアンソロジーです。
主となる部分は歴史や美術に関する調査や刀剣旅レポなどの紀行系で、挿絵程度に版権キャラクターが登場します。
で、転載されていた中には版権キャラクターがいるページもありました。
これはよろしくありません。
一応、版権キャラを描く場合には二次創作ガイドラインの範囲でという制限つきでやってもらった本なので、別に公式に見られたからといってお叱りを食らうことはありませんが、描いた方の精神衛生上よろしくありません。
そんなわけで、対応することにしました。

なお、今回の件で一つ覚えたこと。
Amazonへの著作権侵害の申請は、送った内容の記録などは手元にのこりません。メモ帳でもなんでもいいので自分用に残しておいたほうがよいです。


①一回目の申請
1回目の申請は8/30に行いました。
ただしこれは、ほとんど時間を置かずに「追加情報が必要」というメッセージが返されました。
おそらく1回目の申請内容はまともに読まれてないのでしょうね…

追加情報として求めらたものが、あきらかに会社を想定したものであるため、困惑してツイートしたところAmazonのカスタマーサポートアカウントに返事を寄越されたんですが…これは完全な無駄手間をとらされました。
カスタマーサポート窓口に問い合わせてと言われたんですが、サポート窓口では著作権侵害申請については一切見ることもできず、こちらが問い合わせた「個人用の入力例」も返事としては返ってこず、ただ著作権フォームに入力しろとだけ。
大変腹が立ちますね。

②二回目の申請
追加情報として必要、と言われた項目について、入力を行いました。

知的財産の所有者であるか、または承認された代理人であるか:
会社名:
お名前 (姓と名):
お客様の役職:
電話番号:
連絡可能な日時:
権利者の会社住所:
権利者の連絡先名 (姓と名):
権利者の役職:
権利者の電話番号:
権利者の住所:
権利者の URL:
法人納税番号:

ただ、入力フォームにものすごく不安になる注意書きがあるんですよね。
「私は、この申告が受理された場合、ここに含まれる情報が、注文番号を除き、Amazonから申告の対象であるすべての出品者に対して共有される可能性があることを理解しています。」と
その上に、補助連絡先とかいう項目があって
「*相手方に、あなたのご連絡先を提供する場合があります。上記のご連絡先を提供して良い場合は、「私は、上記の連絡先を相手方に提供しても構いません。」のボックスをクリックしてください。もし上記の連絡先を提供することにご同意されない場合には、相手方に名前とメールアドレスだけ提供いただくことをご同意いただき、以下の「名前」と「Eメールアドレス」欄に記入をお願いします。」
ってあるんですが、そのチェックボックスはなし。
そして、前述の問い合わせの際、入力された情報のうちどの範囲が伝わるものなのかもサポートに問い合わせたんですが、その返答もなし。
ひとまず、この詳細欄に入れた内容は伝わる可能性があると判断したため、個人情報部分は「下記連絡先に入力の通り」とし、会社用の項目は「個人出版物のため該当なし」としました。

この申請は8/30に行い、9/1に「内容が確認できませんでした」というメッセージが返ってきました。

③出品者への問い合わせと3回目の申請
このあたりで関係者にも連絡して、お知恵くださいツイートもしました。
その中でこちらを参考として教えてくださる方が複数いらっしゃいました。
https://note.com/tttttengo/n/n375459e22a48
ただ、それに相当する内容は②の中で既に送っていた状態でした。

そのため、異議申し立てではそれまでと異なる情報を送ることにしました。
内容としては
・「自分が発行者であり、サンプル画像の使用は許可していない」というメッセージ
・書誌情報として、国会図書館サーチの検索結果(情報系同人誌のため納本してあった)
・画像の初出として、アンソロのツイッターアカウントで行った告知ツイートのモーメント
・画像の転載元として、とらのあなURL(頒布場所によってサンプルページが違っていたため、十中八九そこと思われる)
・書誌情報にある出版者として、サークル名義のツイッターアカウント(頒布時の設営写真や発行の告知が累積されている)
以上の内容を送りました。
また、アンソロのアカウントとサークル名義のアカウントでは、「Amazonに画像を転載されたため、申請と、場合によっては弁護士への相談を想定している」という内容をツイートしました。


合せて、業者への連絡をAmazon内のメッセージ機能で行いました。
こちらは、購入ボタンの下のほうに出てくる「販売元」を押下して業者のページに遷移し、「質問する」ボタンを押下で表示されるチャット形式の場所から行いました。
メッセージ内容は「当該書籍の発行者です。本文のサンプル画像の転載は許可しておりません。削除を要請します」というような感じです。
メールで会話する必要があれば書籍奥付にあるメールアドレスまで送ってくれ、とも添えました。こちらがなりすましでない簡易確認ということで。

この二種類の対応は9/3に行いました。
そして9/5頃、Amazonの商品ページが消えているのを確認しました。

なお、業者からもAmazonからもメッセージは届いていないため、最後の対応のどちらに効果があったのかは不明です。
そして前提条件がいろいろ特殊なので、やっぱり誰かの役には立ちづらい記事だなと思いますが、それでも一つの記録として残した次第です。