綴虚堂の日々

ヲタの日常

ミュージカル ロミオ&ジュリエット

気になりつつも見る機会のなかった作品が、名古屋で上演されるということで行ってきました。
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この作品を知ったのは十年ちょい前くらい。
ウイーンミュージカルの大物を招いたコンサートがありまして、その中で「今度こういうのをやるよ」ということで、ウエストサイドストーリー(ロミジュリを翻案した名作ミュージカル)の曲と混ぜながら歌だけでロミオとジュリエットをやっていたのです。
(そのときは日本語ではなかったので、あまり細かいところはわからなかったのですが)

今回見ての感想まず一言。
…このロミジュリ、ウエストサイドストーリーより治安わるくない??
衣装がパンクロック系で、なかなか威圧感がある状態で、冒頭の1曲目、相手方の一族に殴りかかりにいく中に、女性アンサンブルさんたちも混じっておりました。
エストサイドでも、さすがにお嬢さん方は戦いにいってなかったと思うの…(格好いいお嬢さんがた大好きです)

ロミオは刀ミュでおなじみの黒羽さんの回。
なんというか、安心して見れる役者さんになったんだなあという感じがして感慨深かったです。
(お若い方だと、何の役でも同じ感じになる方もいらっしゃいますけども、それもなく、お歌も安定しておりました。ダンスは荒く見えたのだけど、多分バレエダンサーさん演ずる「死」と一緒の場面が多いせい…そこと比べるのはさすがに気の毒)
恋に夢みて恋に恋するダメ男を見事に演じてらっしゃいました。
人物造形としては全く好みじゃないんですけど、ロミジュリのあのなかなか強引なストーリーの上では説得力がある感じで。

今回、キャピュレット(ジュリエットの家)側の女性ダンサーさんの衣装がすごく好みでした。
赤黒パンク系で、キャミやビスチェみたいなのにホットパンツかマイクロミニ、そこにオーバースカート。
その格好で、アンダーが見えるのも厭わない感じでキックを含む激しい動きをしたかと思えば、同じ格好のまま優美にお辞儀をしたり、バレエベースのなめらかで優雅な踊りを踊ったりして、そのギャップが素敵。

あと、プリンシパルのうち、若い世代の衣装がおもしろかったです。
ジュリエットはふんわりしたワンピースに襟付きジャケット、ロミオたちはデニムに合わせるようなスカジャンや、ワークシャツ系、なのだけど、袖のサイドだけは「ロミオとジュリエット」と言ってイメージするような、切り裂いて別布を見せるような袖になってるんですよ。

この作品、「アンサンブル」ではなくて「ダンサー」表記なんですよね。
群舞部分の迫力があって、とてもよかったです。

そしてロミオのソロシーンで特に活躍する、「死」のダンサーさん。
現実味がないくらいに見事に動かれて、素晴らしかったです。